このページは、全損の生命保険を利用して節税をする際に気を付けなければならない点についてお伝えしていきます。なので、法人で全損の生命保険をかけようとするあなたは、一度ご覧いただけたら注意点が理解できると思います。
私の法人は、1月決算になっておりまして今期は大きく利益が出ています。特に仕入れや経費がかかる商売をしていませんので、売上の8割~7割が営業利益になっています。なので、将来の役員退職金のためにと思い生命保険をかけるようにしました。
全損の生命保険の注意点
いろんな商品がある中で、私は会社にとって資金をもっとも繰り延べることができる全損(全額経費)の保険を検討しました。日本生命のものやNN生命のものなどを検討しました。保険としては死亡保険で死亡しなければ、解約返戻金として戻ってくるという内容です。
ただ、この生命保険を活用した全損のものというのはどうしても期間が短くなってしまいます。なので、役員退職金の時期と異なってきます。なので、しばらくすると雑収入で上がってしまうというリスクがあります。
その時期に全損の生命保険の商品があれば、再度入れば繰り延べることが可能になりますがその時期になると健康面から入れなくなるというリスクもあります。その点から、その時期の法人税に不安なところがでてきます。
ここは、全損の生命保険で節税するのであれば気をつけておかなければなりません。もちろん、雑収入で上がる年にマイナスであればいいのでしょうが、それを予想することは不可能です。
半損の生命保険
一方、半分損金のいわゆるオーソドックスな生命保険については、半分だけの経費になってしまいます。しかし、期間が長くとれるので比較的若い経営層でも役員退職金をとるときにピークのものを用意することが可能になります。
なので、全損がいいように見えますが実はそうでもなかったりするわけです。特に、年齢が上がるにつれて保険に入るのは難しくなりますので、若いうちから半損のものをかけておくという選択肢があることを今回勉強しました。
私は、両方をかける形をとっていくようにしましたが実際にはやはり保険の人に聞くところ、全損の商品の方がでているようです。もちろん、それは社長のあなたが選択するものではありますが、利益を繰り延べた後にどうするのか。その先の出口を描いておかないといけません。
最後に、どんなタイプの社長がどんな生命保険に入るべきかというのを簡単にまとめてみますので、今後全損の生命保険を利用しようと思っているあなたは参考にしていただけたらと思います。
全損の保険で節税の注意点まとめ
ここまで、全損の保険の注意点と半損の保険についてお伝えしてきました。私の結論として、以下のようにまとめておきたいと思います。
<20代・30代の社長>
全損の生命保険に入った場合は、解約返戻率が高い時期が短いので解約する際の法人税でたっぷりもっていかれてしまう可能性が高いです。もちろん、あなたの会社の業績がこの時期に落ち込むっていうのがわかればいいのですがなかなかそうはいきません。
全損の保険の節税というのは、利益を繰り延べているにすぎませんのでその点はしっかりと把握したうえで加入するようにしましょう。その点、半損(半分経費)であれば期間を長く設定できますので、役員退職金のころまでためておくことが可能です。
しかし、経費は半分にしかならないというデメリットがあります。これを天秤にかけて選択するということが大切になります。多くの人は、今をなんとかと考えてしまいがちですが物事は長い目で見た方が大抵はうまくいきます。20代~30代のあなたはご参考にしてください。
<50代・60代の社長>
年齢層が高い社長については、ある程度役員退職金の目途を短期間でつける必要があります。しかも、利益がでているのならなおのことですね。特に、60歳を超えて、年金を受けだして給与を下げたところに生命保険で全損を使うというのは効果的です。
1000万円ほどのお金であれば、割と簡単にたまりますので、年齢層が高ければたかいほどNN生命の全損の商品などを組み込むのがおススメですね。役員を退く年齢などが具体的に意識できる年齢になってきますので、短いスパンの商品が魅力を発揮します。
全損の商品というのは、期間が短くなります。逆に半損の商品というのは期間が長くなります。そのあたりのことを意識して、社長の生命保険は選択していくのがいいのかなと今回の体験で感じました。若い間は特に、全損の保険で節税に偏りすぎない方がいいと思います。
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