うつ病を理由に不採用にして問題ない？

このページは、会社が人を採用する際に過去のうつ病の既往歴から不採用にして問題あるのかどうなのかということについてお伝えしていきたいと思います。そもそも、うつ病について聞いてもいい？その時の注意点についてお伝えしていきます。

うつ病は、心の風邪というぐらい日本人にとって多くの人がかかる病気の一つです。しかし、会社側からすると何度もうつ病にかかって休まれてしまっては、困りますよね？ギリギリの人員で回している中小企業であれば、予定している人員が来てくれないことは経営問題になるでしょう。

うつ病の確認は法的にOK？

そもそも、採用前にうつ病の既往歴があることを確認することは問題あるのでしょうか。結論からいうと問題ありません。会社は、採用する人物が健康かどうかについては大切な問題です。雇ったはいいが、休んでばかりで働いてくれないとなると困るでしょう。

そのため、就業規則などに書かれている健康診断書の提出を求める会社も多く存在します。もちろん、健康診断だけでなく会社が健康状態について確認することに問題はありません。うつ病に関しても、健康状態の中に含まれますのでまったく問題ないのです。

そもそも、採用というのはかなり会社側に自由に決められています。最高裁の判例でも、共産党員だからという理由で不採用にしたことが争われたものがありますが、そのケースは会社側が勝訴しています。つまり、共産党員という理由で不採用はOKだということです。

これをうつ病で読み替えると、うつ病の既往歴があったから不採用にしたというのは合法です。問題ありません。ただし、そういった冷たい対応をしているとインターネット社会の現在では評判が広がってしまう可能性があります。

なので、うつ病の既往歴があったから不採用というのではなくやんわりと不採用の理由を伝えるようにしましょう。そのあたりは、大人の対応というところになるでしょうか。直接的に、うつ病が不採用の理由だといわずに検討の結果などと濁すようにしましょう。

うつ病の既往歴を隠して入社

実は、うつ病の既往歴を事前に教えてくれるケースはまだいいと言っていいでしょう。問題があるのは、うつ病の既往歴があるにもかかわらず、ウソをついて入社してしまった場合のケースです。

こういった場合、再発してあとから従業員に言われることがあります。そういった時のために対応をしておく必要があります。現在は、このようにあとから言われるというケースが多くあります。

あなたの会社で、初めてうつ病になったのならまだしも過去に既往歴があってそれをかくしていたときは、解雇にできるのかという問題が発生してきます。会社からすると、解雇にしたいですよね。

労働者からしたら、それで解雇はできないだろうと思うでしょう。しかし、これは就業規則にしっかりと明記していれば採用の取り消しにすることは可能です。経歴詐称で入社してきた場合と同じ扱いです。ただし、客観的な証拠は必要です。

面接の際に聞いた、聞かないでは証拠として弱いです。こういった労働問題の場面では言った言わないのシーンは会社側が弱くなってしまうからです。もっとしっかりとした証拠が欲しいです。

なので、精神疾患の既往歴があるかどうかの文書をとっておくことをおススメします。どうしても、中小企業では文書をとるという習慣がありません。しかし、こういうトラブルになった際に書面というのは何よりも重要になってきます。

具体的にどんな文章のものをとればいいかは、「健康の告知書」と検索したら対応できるような文書がインターネット上で出てきます。それを入社前に書いてもらうようにしましょう。雇用契約書や身元保証書と併せて健康に関する告知書をとるようにしましょう。

そうすることで、うつ病の既往歴がある社員の入社を水際で防ぐことが可能になるのです。最近は、本当に精神疾患を繰り返す従業員って多いです。打たれ弱い人物が若い社員を中心に増えています。従業員として、最低限ほしい人物として健康な人というのは当然です。

あえて、健康でない人物を採用して経営で苦しむ必要はありません。しっかりと、健康かどうかを見極めるような文書をとるようにしましょう。それが、結果として転ばぬ先の杖になるわけです。

うつ病と採用についてのまとめ

大事なことなので、ここまでの話をまとめます。うつ病の既往歴を理由に不採用にすることは法的に問題ありません。それは、最高裁の判例にもあるように採用者を選ぶ権利は会社に広く認められているからです。うつ病だからという理由で不採用でもOKです。

ただし、今後も地元で採用をしなければならないことがあるでしょうから、うつ病が理由でという断り方をしないようにしましょう。大人の対応で不採用の理由を濁すようにしましょう。今後も採用をしていかなければならないので、断り方は非常に重要です。

また、採用の際にわかれば大きな問題は起きないのですが、うつ病の既往歴をウソをついて入社した場合についての対応はもっと大変になります。そういったことが起きないにこしたことはないのですが、もし起きたらいけないのであらかじめ書面をとっておきましょう。

もし、面接で精神疾患の過去はないかどうか聞いただけでは言った言わないの世界になってしまいます。健康の告知書（文書名はなんでもいいですが）の中で、精神疾患のことを確認するようにしましょう。

そうすることで、もし後でわかったら採用取り消しになるということを相手にも伝えることが可能になります。面接でうつ病のことについて聞くよりも、文書で雇用契約書や身元保証書などと一緒にもらうようにしましょう。

結果的に、それがうつ病の既往歴を隠して入社するリスクを未然に防ぐことができるのです。入社前に文書をとっていなくて、あとで言った言わないの世界になってしまうと辞めてもらうことはできなくなります。そのため、今後の採用の際には必須の書類にしてくださいね。